Psyche
概要
Psyche(サイキ)は、太陽系形成初期段階での惑星の分化過程を理解することを目的とした NASA のディスカバリー・プログラムの探査機である[1][2]。金属を主体とする小惑星「プシケ(16 Psyche)」を調査する NASA 初のミッションであり、火星と木星の間の小惑星帯に位置する同小惑星に向かっている[2][4]。プシケは、原始惑星のコアであった可能性があり、その観測を通じて地球のような惑星の形成についての貴重な情報が得られることが期待されている[4]。探査機本体は小型バンほどの大きさで、太陽電気推進システムで駆動される[1]。
この宇宙機に搭載されているコンポーネント一覧
推進ユニット
太陽光を電力に変換して動作する電気推進システムであり、探査機の軌道変更と目的地への到達を実現する[1]。従来の化学推進に比べて高い比推力を実現し、深宇宙での長期ミッション遂行に適している。
熱制御ユニット
探査機内部の温度を適切に管理し、各機器の正常動作を保証する。深宇宙環境での急激な温度変化から機器を保護する。
電力制御ユニット
太陽光を電力に変換して探査機全体に電力を供給する[1]。深宇宙での運用を実現するための主要電源である。
通信機器(光通信)
レーザー通信技術を使用して地球との通信を確立する試験装置である[1]。従来の電波通信に代わり光を使用することで、与えられた時間内により多くのデータを通信することができる。この技術デモンストレーションは JPL が主導し、Psyche ミッションのデータ中継には使用されない[2]。
通信機器(深宇宙通信)
地球との双方向通信を行うためのアンテナであり、命令受信とデータ送信を担う。深宇宙での長距離通信に対応した高指向性アンテナである。
姿勢制御ユニット
探査機の姿勢を制御し、推進システムの方向調整、太陽電池パネルの太陽指向、通信アンテナの地球指向などを実現する[1]。深宇宙航行における安定した姿勢保持に不可欠である。
データ処理ユニット
探査機全体の制御、データ処理、および各機器の統合管理を行う中枢制御システムである。ミッション運行に必要なコマンド実行、科学データの処理、テレメトリー生成などを担う。
観測機器
プシケ小惑星の磁気特性を測定し、その磁気環境を調査する[1]。小惑星の内部構造や組成に関する情報を得るために使用される。
観測機器(ガンマ線)
プシケ小惑星からのガンマ線と中性子放射を測定し、表面物質の元素組成を調査する[1]。金属質小惑星の化学的組成を詳細に把握するために重要な観測機器である。
観測機器(温度分布)
同一のカメラ 2 台で構成される装置であり、プシケの表面を様々な波長の光で観測する[4]。ミッション目的地である小惑星の地形、組成、温度分布などを詳細に把握するために使用される。