Progress MS
概要
Progress MS(プログレスMS)は、ロシアが開発した国際宇宙ステーション(ISS)への無人補給輸送宇宙船である。燃料、水、酸素、食料、実験装置などの補給物資を運搬し、ドッキング後は搭載推進系によるISSの軌道上昇や姿勢制御を実施する。2015年12月より改良型のプログレスMS系列が運用されており、従来のプログレスM系列から発展した設計となっている。サリュート、ミール、ISSといった複数の宇宙ステーションに物資を運搬してきた長期運用実績を持つ。
この宇宙機に搭載されているコンポーネント一覧
ドッキング機構
ISSのズヴェズダまたはポイスクモジュールとの自動ドッキングを実現する機構。無人で自動的にドッキングを行い、接続後は物資の運搬を可能にする。
推進剤タンク(軌道上昇や姿勢制御)
プログレスMS搭載の推進剤を貯蔵するタンク。従来のプログレスM型では4個、プログレスMS型では8個搭載される。ISSへの軌道上昇や姿勢制御時に推進剤を供給する役割を担う。
熱制御ユニット
宇宙環境における温度変化に対応し、搭載機器および補給物資の適切な温度管理を実現する。宇宙での極端な温度変化から内部システムを保護する。
電力制御ユニット
プログレスMSの全システムに電力を供給する電源。太陽電池パネルおよび化学電池により、打ち上げからドッキング、軌道修正、大気圏再突入までの全ミッション期間にわたり電力を供給する。
通信機器
ISSおよび地上管制センターとの間で指令・テレメトリ情報の送受信を行う通信システム。ドッキング中は物資運搬の進捗状況を管理する。
スラスタ
プログレスMS搭載の推進スラスタ。ISSの軌道修正、姿勢制御、スペースデブリ回避を実現する。プログレスMS-14は1年間に10回エンジンを噴射し、ISS軌道修正を実施した実績がある。
姿勢制御ユニット
プログレスMSの姿勢を検出するセンサー。太陽センサーまたは地球センサーを用いて、軌道上での正確な姿勢制御を実現する。
搭載コンピュータ
プログレスMSのミッション制御と自動ドッキング制御を実施するコンピュータシステム。ISSとの通信を管理し、軌道修正やドッキング手順を自動実行する。
推進剤タンク(燃料)
ISS搭乗員の飲料水や冷却水として使用される水を貯蔵するタンク。プログレスM1では燃料補給モジュールに搭載した4個の水タンクを外し、推進剤タンク増加に対応した。
補給物資コンテナ
燃料、水、酸素、食料、実験装置などの補給物資を搭載・運搬するコンテナ。最大約2,350kgのペイロードを搭載可能であり、ISSドッキング後の物資運搬を実現する。