Peregrine

Astrobotic | NASA
打ち上げ日: 2024年1月8日

概要

Peregrine Mission One(PM1)はアストロボティック・テクノロジーが開発した米国初の民間月着陸機である。同社初の月着陸機として、2019年5月にNASAの商業月面輸送サービス(CLPS)において初めて月への輸送を請け負う着陸機の一つに選定された。本ミッションは、NASA観測機器、カーネギーメロン大学開発の月面ローバーIris、日本のアストロスケール、大塚製薬のペイロードなど複数の科学機器を月面に輸送することを目的とした。また、月の水などの資源確保の可能性を調査し、将来の月面での人類居住の可能性を切り開くことを目指していた。[1][2][3]

この宇宙機に搭載されているコンポーネント一覧

構造・機構系1件

機体構造

月着陸機の主要な構造体である。アイソグリッド構造のアルミニウムで構成され、強度と軽量性を兼ね備えた設計となっている。[1]

推進系2件

ロケットエンジン

月面着陸時の減速を行う推進力源である。ハイパーゴリック推進剤を使用して機体の速度を制御する。[1]

推進剤タンク

ハイパーゴリック推進剤を貯蔵・供給する。打ち上げ直後に推進剤の漏洩が発生し、ミッションの失敗につながった。バルブ故障の可能性が指摘されている。[3][5]

電源系1件

太陽電池パドル

月面での電力供給を行う。PM-1では月の中緯度領域での着陸を想定し、着陸機の上側に設置される。太陽の方向に向けられることで、バッテリの充電に必要な安定した太陽指向を実現する。[1][3]

姿勢・軌道制御系2件

姿勢制御ユニット

機体の姿勢を制御するために配置された小型推進装置である。ハイパーゴリック推進剤を使用して機体の向きを調整する。[1]

着陸装置

月面着陸時に精密な着陸地点の決定を行う実験的なセンサーである。カメラと高性能コンピュータから構成され、カメラが撮影した画像をメモリ内の地図と即座に比較して着陸機を誘導する。NASAジェット推進研究所とジョンソン宇宙センターなどと共同で開発された。[1]

ペイロード系3件

イオン質量分析計

月面の資源調査を目的とした英国製の科学機器である。ESA加盟国の政府からの1,400万ポンドの資金援助を受け、英国で開発された。月の水などの資源確保の可能性を調査する。[2]

月面ローバー

カーネギーメロン大学で開発された超小型月面ローバーである。靴箱ほどの大きさで約2kgの質量を持つ。月面を走行して地質科学のための画像撮影と無線位置測定技術の試験を行い、月面で稼働する米国初のロボットとなるはずであった。[4][8]

観測機器

地球と月周辺の惑星間空間の放射線環境を測定するNASAの観測機器である。ミッション失敗後も惑星空間のデータ収集を継続している。[1][9]