OCO (Orbiting Carbon Observatory)
概要
OCO(軌道上炭素観測衛星)は、NASAが開発した地球観測衛星であり、大気中の二酸化炭素(CO2)濃度を宇宙から高精度で測定することを目的とする。初号機は2009年2月24日の打ち上げに失敗したため、同型代替機としてOCO-2が2014年7月2日に打ち上げられた。OCO-2は太陽同期軌道で運用され、植物の光合成時に放出されるクロロフィル蛍光を利用して大気中CO2の量を計測する。これにより、CO2の発生源と吸収源をマッピングし、温室効果ガスの全地球的な分布を調査する。日本の温室効果ガス観測技術衛星「いぶき(GOSAT)」と連携し、衛星からの地球全体の温室効果ガス観測を継続している。
この宇宙機に搭載されているコンポーネント一覧
機体構造
OCO-2全体を支持する基本骨組みであり、分光計、望遠鏡、電源系、通信系などのすべてのコンポーネントを搭載する。
熱制御ユニット
分光計などの光学機器を最適な動作温度に保つため、受動的および能動的な熱制御を実施する。宇宙環境における温度変化への対応が必要である。
電力制御ユニット(電力を生成し、衛星の運用に必要な電力を供給)
太陽光から電力を生成し、衛星の運用に必要な電力を供給する。太陽同期軌道における日照条件に対応した設計となっている。
電力制御ユニット(電力供給)
衛星が地球の影に入る期間中の電力供給を担当し、太陽電池による発電が不可能な時間帯の運用継続を可能にする。
データ送受信装置
観測データを地上局へ転送し、衛星への指令を受信する。分光計から記録されたスペクトルデータをリアルタイムで地上へ送信する。
姿勢制御ユニット
衛星の正確な姿勢を保持し、分光計が地球を正確に観測できるように機能する。太陽同期軌道での安定した姿勢維持を実現する。
軌道制御ユニット
OCO-2を高度705 kmの太陽同期軌道に投入・維持し、EOS A-Trainコンステレーションの一部として機能させるための制御装置である。周期98.8分、軌道傾斜角98.2度、赤道通過地方太陽時13:15で運用される。
データ処理ユニット
分光計からの観測データを処理し、衛星全体の運用を制御する。観測の時間同期、データの初期処理、衛星姿勢制御の実行を担当する。
光学集光装置
3台の分光計に対して共通の光を供給する望遠鏡である。太陽光を集光し、分光計へ導光する。
観測機器
OCO-2に搭載される3台の高解像度分光計で構成される主観測装置である。共通の望遠鏡から光を受け、架台を共有する。各分光計は0.758~0.772 μm(O2 Aバンド)、1.594~1.619 μm(1.61 μm CO2バンド)、2.042~2.082 μm(2.06 μm CO2バンド)の波長帯で観測を行う。分光計は秒速4マイル以上のスピードで衛星が地球の上空を1周回するごとに3回のタイミングでスペクトルを記録し、地上へ転送する。