H-IIA
概要
H-IIAロケットは、日本の宇宙開発事業団(NASDA)と後継法人の宇宙航空研究開発機構(JAXA)および三菱重工が開発した人工衛星打ち上げ用液体燃料ロケット[3]。日本初の純国産ロケットH-IIロケットで培われた技術をもとに開発され、多様な人工衛星・探査機の打ち上げを、高い信頼性と低コストで行うロケットとして基幹ロケットに位置づけらていた[2][3]。2001年8月の試験機打ち上げ以来、成功率約97%の高い信頼性を保っていた[1]。2007年から打ち上げ事業は三菱重工業に移管[4]。
この宇宙機に搭載されているコンポーネント一覧
機体構造
ロケットの機体外壁とフェアリング。アルミニウム合金製で、標準型は直径4m、全長53m[1][5]。強度を確保しながら軽量化されています[3]。フェアリングは4/4D-LC型(4m径)や4S型(4m径)などが使用されます[7][8]。
ロケットエンジン
打ち上げ時に十分な推力を得るために本体横に標準で2基装備される固体ロケットブースタ。衛星・探査機等の質量に応じてさらにSRB-Aや固体補助ロケット(SSB)を追加して柔軟に対応することができます[3]。材質はCFRPであり、軽量化と強度を両立させています[3]。標準型では2基、強化型では4基装備可能で、打ち上げ能力を約4tから約6tに増やすことができます[1][5]。
ロケットエンジン(第1段)
H-IIロケットの第1段メインエンジンとして開発されたLE-7エンジンの改良型。少ない推進薬で効率良く推力を発生することができる燃焼方式である二段燃焼サイクルを採用しています[1]。液体酸素・液体水素を推進剤とし、世界のロケットエンジンと比べても小さく、高性能です[4]。
ロケットエンジン(第2段)
H-IIAロケット第2段機体に搭載されるエンジン。液体酸素・液体水素を推進剤として使用し、高性能を発揮します[4]。地上で数々の燃焼試験を繰り返され、その性能・機能を確認してからロケットに搭載されます[4]。
推進ユニット
第1段、第2段に搭載される液体酸素と液体水素の推進剤を格納するタンク。アルミニウム合金製で、強度を確保したまま機体を軽量化するためにアルミ合金製の推進剤タンクの内面を格子状に彫り込んだアイソグリッド構造を採用しています[3]。
電力制御ユニット(電力供給)
ロケット各機器への電力供給を管理するシステム。エンジン制御、姿勢制御、通信機などの各種機器を駆動するための電源を供給する。
通信機器
ロケットの飛行データをリアルタイムで地上局に送信し、打ち上げ安全監理を実現するシステムである。地上レーダ局と連携して位置情報や姿勢情報を管理する。37号機では地上レーダ局を完全に不要とするための航法センサと連携して運用される[2]。
姿勢制御ユニット
ロケットの飛行中の姿勢を制御し、所定の軌道に衛星を投入するためのシステム。ロケット自身に新たに開発された航法センサを搭載することで、地上レーダ局に頼らず、飛行安全管制に必要な位置情報の取得が可能となり、29号機から実証を始め、37号機では地上レーダ局の完全不要化を達成しました[2]。
誘導・航法・制御ユニット(37号機)
H-IIAロケットの打ち上げ余剰能力を活用し、複数の衛星を異なる軌道高度へ投入する機能。平成29年12月に打ち上げた37号機では、29号機で実証した技術を一部活用することで、従来のH-IIAと同等の高い精度で複数の衛星を異なる高度の軌道へ投入することに成功しました[2]。これにより衛星の構造上の制約を小さくすることができ、衛星設計の自由度が向上します[2]。
発射装置
H-IIAロケットの打ち上げを実施する地上施設。種子島宇宙センターから打ち上げられます[6]。飛行時および地上の安全確保を行うJAXAの打ち上げ安全監理業務、および三菱重工業による打ち上げ輸送サービスが実施されます[4][7]。2001年から運用を開始し、多様なミッションに対応してきました[4]。