Europa Clipper
概要
エウロパ・クリッパーはNASA、ジェット推進研究所(JPL)、応用物理学研究所(APL)が共同開発した木星の衛星エウロパを観測するための大型探査機である[1]。本ミッションの主目的は、エウロパの表面構造・組成を調査し、氷殻の厚さを測定し、氷の下に存在するとされる全球的海洋の塩分濃度を決定することにより、生命維持に必要な水、エネルギー、化学物質が存在するか確認することである[2][3]。探査機は木星を周回する軌道に入らず、木星周回中にエウロパ上空の低高度を45~49回のフライバイで観測する設計となっている[1][3]。本体寸法は3.0m×4.7m×3.0m、打ち上げ時質量は約6tであり、NASAがこれまで開発した探査機の中で最も大きく重い[5]。
この宇宙機に搭載されているコンポーネント一覧
推進ユニット
軌道修正、速度調整、および姿勢制御用の推進力を提供し、長期間の深宇宙航行を支援する推進システムである[3]。
熱制御ユニット
深宇宙での極端な温度環境下で、機器の動作温度を適切に保つための保温およびラジエーション機能を提供する[5]。
電力制御ユニット
太陽電池パネルからの電力を管理し、各サブシステムへの電力供給、蓄電、および過負荷保護を行う機器である[5]。
通信機器
地球との間の遠距離通信を実現し、観測データの送信および地上からのコマンド受信を行う機器である[3]。
GN&Cユニット
探査機の姿勢制御、軌道維持、フライバイ時の軌道調整を行い、ミッション遂行に必要な位置姿勢の管理を担当するシステムである[3]。
データ処理ユニット
探査機全体の制御、観測データの処理、および地上との通信制御を担当する中枢システムである[3]。
撮像装置
エウロパの表面地形を高解像度で撮影し、地表の構造的特徴を詳細に捉える観測機器である[1][2]。
観測機器(氷下探査)
エウロパの氷殻内部の構造を探知し、氷の厚さ測定および下部海洋の存在確認を行う観測機器である[1]。
観測機器(表面組成)
エウロパの表面組成を分析し、鉱物組成および化学的特性を明らかにする観測機器である[1]。
質量分析計
エウロパ周辺の磁気圏環境におけるイオンおよび中性粒子を検出・分析し、プラズマ環境の特性を調査する観測機器である[1]。