Ariane 6

ESA | Arianespace
打ち上げ日: 2024年7月9日

概要

Ariane 6(アリアン6)は、欧州宇宙機関(ESA)により開発された大型ロケットであり、2023年7月まで運用されていたAriane 5の後継機として位置づけられる。液体水素・液体酸素を推進薬とする第1段と、同じく液体水素・液体酸素を推進薬とし再着火可能な上段エンジンを備える上段で構成され、離昇時には固体ロケットブースター(P120C)で推力を補う。Ariane 5の開発終了およびロシアのソユーズ・ロケット事業の喪失に伴い、欧州が宇宙への自前のアクセスを確保するために開発された。モジュール式で汎用性が高く、Ariane 62(低軌道へ約10.3t、GTO(静止トランスファー軌道)へ約4.5t)とAriane 64(低軌道へ約21.6t、GTOへ約11.5t)の2つの形態がある。再点火可能な上段により、1回の打ち上げで複数のミッションを持つ各衛星を異なる軌道に打ち上げることが可能である。

この宇宙機に搭載されているコンポーネント一覧

構造・機構系1件

ペイロード

打ち上げ時にペイロード(衛星)を空力加熱と振動から保護するカバーであり、所定の高度で分離される。

推進系6件

ロケットエンジン

Ariane 6の離昇時に推力を補助する固体ロケットブースターであり、複数個が並列で搭載される。P160Cへの改良版開発が進行中である。

ロケットエンジン(上段)(軌道投入)

上段に搭載される再点火可能なエンジンであり、複数回の着火により柔軟な軌道投入を実現する。3回着火機能を備える。

ロケットエンジン(上段)(軌道輸送)

上段に追加するオプションのキックステージであり、軌道間輸送をより柔軟にし、複数の衛星を異なる軌道へ投入することを可能にする。開発が進行中である。

ロケットエンジン(第1段)

第1段を推進する液体水素・液体酸素推進エンジンであり、再利用を前提とした設計となっている。4時間以上の稼働実績を有する高信頼エンジンである。

推進ユニット(貯蔵)

第1段において液体酸素を貯蔵するタンクであり、Vulcain 2.1エンジンに推進剤を供給する。

推進ユニット(貯蔵)

第1段において液体水素を貯蔵するタンクであり、Vulcain 2.1エンジンに推進剤を供給する。

データ処理系1件

誘導・航法・制御ユニット

Ariane 6の飛行制御および軌道投入を担当するシステムであり、正確な軌道投入と複数ペイロードの異なる軌道への放出を実現する。

地上系2件

発射装置

南米ギアナのギアナ宇宙センターに設置されたAriane 6専用の発射台であり、高さ90メートルの巨大な天井クレーンを備える。

通信機器

地上からAriane 6の飛行状態を監視し、テレメトリデータを受信する地上システムであり、打ち上げ時の安全管理に不可欠である。