ADRAS-J
概要
ADRAS-J(Active Debris Removal by Astroscale-Japan)は、軌道上に存在する大型の宇宙デブリに対して安全に接近し、近距離でその状況を調査する世界初のミッションを実施する衛星である[1][3]。JAXAの商業デブリ除去実証(CRD2)フェーズⅠの一環として、日本のH2Aロケット上段(全長約11m、直径約4m、重量約3トン)をターゲットとしている[1][4]。このミッションは、RPO(ランデブ・近傍運用)技術を用いて遠距離からのデブリへの接近、定点・周回観測、衝突回避機能の検証などを実施し、今後のデブリ除去事業や軌道上サービスの実現に向けた貴重な知見を得ることを目的としている[3]。
この宇宙機に搭載されているコンポーネント一覧
機体構造
衛星全体を支える構造体。打上げ時の約150kgの質量を支持する[2]。
ロケットエンジン
衛星の軌道変更及び近傍運用制御のための推進システム。デブリへの接近と周回観測を実現する[3]。
熱制御ユニット(軌道上での太陽光及び地球からの熱を制御)
軌道上での太陽光及び地球からの熱を制御し、衛星機器の動作環境を維持するシステム[2]。
電力制御ユニット
衛星全体の電力供給を担当するシステム。軌道上での長期間運用を支援する[2]。
通信機器
地上局との通信及び衛星間通信を実現するシステム。ミッション運用時の指令送受信に使用される[2]。
誘導・航法・制御ユニット(自律航法)
非協力的デブリに対するフルレンジのランデブ及び近傍運用能力を有し、ターゲット軌道を狙ったロケット打上げから極近傍までの自律航法誘導を実現するシステム[2][3]。
誘導・航法・制御ユニット(衝突回避)
異常検知に基づきリアルタイムで衝突を回避する自律制御機能[3]。安全性と操作精度を両立させている[3]。
データ処理ユニット
観測データの処理、取得映像の記録及び地上への転送を担当するシステム[1][3]。
観測機器
デブリの運動、損傷・劣化状況を撮像するため複数のカメラ・センサーで構成されたシステム[3]。高精度な航法誘導と異常検知を支援する[3]。