Destiny+
概要
DESTINY⁺(深宇宙探査技術実証機)は、JAXAが開発する理工連携の小型深宇宙探査機である。本ミッションは、将来の低コスト・高頻度で持続的な深宇宙探査を実現するための工学技術実証と、ふたご座流星群の母天体である小惑星(3200)Phaethonのフライバイ観測および惑星間ダストの分析を科学的目的とする。探査機は秒速約36km/sの高速でPhaethonに約500kmまで接近し、望遠カメラで表層の地形地質を調査すると同時に、複数波長の分光カメラにより表層の物質分布を観測する。また、地球に飛来するダストを宇宙空間で直接捕集・分析することで、ダスト放出機構の解明を目指す。本機は電気推進(イオンエンジン)による地球周回軌道からの脱出と月スイングバイを経由したPhaethonへの航行を実証する。
この宇宙機に搭載されているコンポーネント一覧
機体構造
探査機の基本構体を構成する構造フレームおよびパネルである。実証機構体サイズは1.3m × 1.08m × 1.33mである。
ロケットエンジン
地球周回軌道上からのスパイラル軌道上昇と月スイングバイを経由したPhaethンへの航行を実現するための高比出力電気推進装置である。安定的な稼働のためには十分な電力を必要とする。
熱制御ユニット
小型探査機として限定的な体積・質量の中で、各コンポーネントの動作温度範囲を管理する革新的な熱制御技術である。
太陽電池パネル
片側10枚の計20枚のパネルで構成される新型薄膜軽量太陽電池パドルである。イオンエンジンの安定稼働に必要な十分な電力を供給する。
通信機器
地球との遠距離通信を実現するための送受信機及びアンテナである。
姿勢制御ユニット
探査機の三軸姿勢制御と軌道制御を担当するユニットである。Phaethonへの高速フライバイ時の正確な追尾制御を実現する。
データ処理ユニット
探査機の全体的なミッション制御とデータ処理を担当するメインコンピュータである。
ダスト捕集装置
宇宙空間で航行中に星間ダスト及び惑星間ダスト(固体微粒子)を捕集し、その場での組成分析を実施する観測機器である。
観測機器(地形撮像)
Phaethonへの高速フライバイ時に探査機が追尾しながら小惑星表層の地形を撮像する観測機器である。秒速約36km/sの高速フライバイにおいて正確な追尾を実現する必要がある。
観測機器(物質分析)
Phaethon表層の物質分布を複数波長で観測する分析機器である。小惑星表面の鉱物組成及び地質分布を明らかにする。